サイト移転に失敗!?旧サイトが表示されてしまう原因と解消方法
ウェブサイトを移転したのに、なぜか旧サイトが表示され続ける…。こんなトラブルに遭遇すると、ユーザーの混乱を招くだけでなく、SEOにも悪影響を及ぼします。適切な対応を取らなければ、せっかくのサイト移転が台無しになりかねません。本記事では、サイト移転後に旧サイトが表示される原因と、その解決策を詳しく解説します。
旧サイトが表示される主な原因
ブラウザのキャッシュが残っている
ブラウザは、ウェブページの読み込みを速くするために、一度訪れたサイトのデータを一時的に保存しています。しかし、このキャッシュが原因で、新しいサイトではなく古いサイトが表示されることがあります。
発生しやすい状況
- サイトのデザインや構成を大きく変更した場合
- 移転直後で、まだユーザーが旧サイトのデータを保持している場合
DNSキャッシュが更新されていない
DNS(ドメインネームシステム)は、ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みです。PCやルーターには、過去のDNS情報がキャッシュされているため、これが更新されないと、旧サイトのサーバーにアクセスしてしまう可能性があります。
発生しやすい状況
- サーバーのIPアドレスが変更された場合
- ドメインの移管が完了していない場合
301リダイレクトの設定ミス
サイト移転時には、旧URLから新URLへ自動的に転送する「301リダイレクト」を設定するのが一般的です。しかし、これが正しく設定されていないと、旧サイトにアクセスできてしまいます。
発生しやすい状況
- .htaccessの設定ミス
- リダイレクトルールが適用されていない
ルーターやプロバイダーのキャッシュが影響している
一部のインターネットプロバイダーやルーターは、サイト情報を一時的にキャッシュすることがあります。そのため、移転直後は古い情報が残っていて、旧サイトが表示されてしまうことがあります。
発生しやすい状況
- 長期間アクセスのないドメインを移転した場合
- プロバイダー側のDNS更新が遅い場合
解決策
ブラウザのキャッシュをクリアする
ブラウザのキャッシュをクリアする方法には、「履歴の削除」と「検証(Disable Cache)」の2つの方法があります。それぞれの特徴と手順を解説します。
Google Chrome でのキャッシュ削除方法
- 設定画面を開く
- URLバーに
chrome://settings/
と入力してアクセスする - または、右上の「︙(メニュー)」→「設定」をクリックする
- URLバーに
- 「プライバシーとセキュリティ」設定を開く
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- キャッシュを削除するデータを選択
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる
- 削除する期間を 「全期間」 に設定する
- データを削除する
- 「データを削除」ボタンをクリック
- キャッシュが削除され、次回のアクセス時に最新のページデータが読み込まれる
この方法を使うと、特定のページだけでなく、すべてのサイトのキャッシュがクリアされます。そのため、サイトの更新内容が正しく反映されない場合に有効です。
Google Chrome でキャッシュを無効化する方法
Google Chromeには「Disable Cache」という機能があります。「Disable Cache」は、ブラウザの開発者ツールを使用して、特定のページでキャッシュを無効化する方法です。これは、ページをリロードするたびに新しいデータを取得するため、サイトの変更が即座に反映されるのが特徴です。
- 開発者ツールを開く
- F12キー または
Ctrl + Shift + I
を押す - 画面右側に開発者ツールが表示される
- F12キー または
- 「Network」タブを選択
- 上部のメニューから「Network」をクリック
- 「Disable Cache(キャッシュを無効化)」を有効にする
- 「Disable Cache」にチェックを入れる
- これにより、ページをリロードするたびに最新のデータが読み込まれる
- ページをリロードする
-
F5
を押してページを更新する
この設定は、開発者ツールを開いている間のみ有効です。ブラウザを閉じると、キャッシュは再び有効になるため、開発作業やサイトの更新確認を行う際に便利です。
Firefox
- 設定を開く(
about:preferences
にアクセス) - 「プライバシーとセキュリティ」→「履歴を消去」をクリック
- 「キャッシュ」にチェックを入れて「今すぐ消去」をクリック
Microsoft Edge
- 設定を開く
- 「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリア」を選択
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて削除
DNSキャッシュをクリアする
ローカルPCのDNSキャッシュをクリアすることで、新しいサイトのIPアドレス情報を取得し直すことができます。
- Windows:
ipconfig /flushdns
をコマンドプロンプトで実行 - Mac:
sudo killall -HUP mDNSResponder
をターミナルで実行
ルーターの再起動
ルーターのキャッシュをクリアするため、一度電源を切って数分後に再起動してください。
301リダイレクトの設定を確認する
.htaccessファイルまたはサーバー設定で、旧URLから新URLへのリダイレクトが適切に設定されているか確認します。
.htaccess によるリダイレクト設定例:
Redirect 301 /old-page <https://newsite.com/new-page>
まとめ
サイト移転後に旧サイトが表示される原因として、ブラウザやDNSのキャッシュ、リダイレクトの不備などが挙げられます。これらの問題を解決するために、
- ブラウザのキャッシュをクリア
- DNSキャッシュを更新
- ルーターの再起動
- 301リダイレクトの設定を確認
これらの対策を講じることで、訪問者がスムーズに新サイトへアクセスできるようになります。サイト移転時には、事前にチェックリストを作成し、適切な移行作業を進めることが重要です。