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数学系のサイト・ブログの始め方から数式表示まで!初心者向け完全ガイド

この記事は約12分で読めます。

数学サイトを作る目的を決めよう

はじめに、なぜ数学サイトを作りたいのかを明確にしておきましょう。

例えば、

  • 自分の学習ノートをまとめてアウトプットしたい
  • 人に教えることで理解を深めたい
  • 趣味
  • 入試問題の解法を公開・共有したい
  • 将来的に収益化を目指したい

など、目的は人それぞれです。どんなテーマをメインにするか(受験数学、大学数学、統計、応用数学など)によってサイトの構成や使うプラットフォームも変わってきます。

  • 具体的なテーマを決めることで、読者も「ここに来れば自分の知りたい情報がある」と認識しやすくなる
  • 目的が明確だとモチベーションが維持しやすい

プラットフォームを選ぼう

無料ブログサービス(はてなブログ・note・mathlogなど)

  • メリット
    • 初期費用がかからない
    • 会員登録するだけで記事を書き始められる
    • コミュニティ機能があり、読者を獲得しやすい
  • デメリット
    • 独自ドメインを取得しない場合、URLにサービス名が入る
    • カスタマイズの自由度が低い
    • 広告の表示やサービス側の規約に制限がある

WordPress(独自ドメイン + レンタルサーバー)

  • メリット
    • プラグインを使えばカスタマイズがしやすい
    • デザインの自由度が高い
    • 独自ドメインを取得しやすい
    • 将来的に広告収益やアフィリエイトなども実施しやすい
  • デメリット
    • サーバー代やドメイン代がかかる
    • セキュリティ・バックアップなどのメンテナンス作業が必要

WordPressであれば、後述するMathJaxKaTeXなどのプラグインを導入することで、きれいに数式を表示できます。

独自ドメインとレンタルサーバーについて

独自ドメインとは、自分専用の「○○.com」「○○.net」などのURLのことです。独自ドメインを使うメリットは、以下のようなものがあります。

  • ブログのアドレスを好きに決められる
  • ブランディングや信頼性の向上
  • 将来的に他のサービスに乗り換えやすい(移転してもURLを維持できる)

レンタルサーバーは、自分のサイトのデータを設置する場所を借りるサービスです。

一般的な初心者向けのサーバーとしては、エックスサーバーロリポップ!さくらのレンタルサーバなどが有名です。

本記事では独自ドメインとレンタルサーバーを使った方法について解説します。

手順の流れ

以下では、WordPressを使って数学系のサイトを構築し、数式を表示するまでの流れをまとめています。特に、1. サーバー契約 → 2. ドメイン取得・紐づけ → 3. WordPressインストール → 4. functions.phpの編集 → 5. 数式表示という大まかな手順を順番に解説します。

ポイント
  • サーバー契約
  • ドメイン取得・紐づけ
  • WordPressインストール
  • functions.phpの編集
  • 数式表示


最後に、数式表示の主な方法としてKaTeXMathJax画像を使ったやり方も紹介します。

サーバーの契約とドメイン名の決定(契約)

サーバー契約

  • レンタルサーバーを選ぶ 代表的なサーバーとして、エックスサーバー・ロリポップ!・さくらのレンタルサーバーなどがあります。
  • 初期費用と月額費用を確認 料金プランや契約期間によってコストが変わります。初心者向けのお試しプランや、キャンペーンを活用するのもおすすめです。

例えば、エックスサーバーでは次のプランが用意されています。

契約期間 スタンダード プレミアム ビジネス
3ヶ月 1,320円 2,640円 5,280円
6ヶ月 1,210円 2,420円 4,840円
12ヶ月 1,100円 2,200円 4,400円
24ヶ月 1,045円 2,090円 4,180円
36ヶ月 990円 1,980円 3,960円

*表のプランの値段は2025/03/20時点 プラン内容の詳細は次のページで確認してください。

ドメイン名の決定

  • ドメイン名は早めに確保する サーバー会社によってはドメイン取得無料キャンペーンを行っていることもあるので、要チェックです。
  • サイトのテーマや名前に合わせたドメインを考える
    例)math-●●.comなど

ドメインの取得先としてXserverドメインなどがあります。



また、「xserve ✖ onamae.com」を使う方法もあります。次の記事で解説しています。

エックスサーバーとお名前.comのドメインを連携する手順をわかりやすく解説
お名前.comで取得したドメインをエックスサーバーに紐づける方法を初心者向けにわかりやすく解説。ネームサーバー変更からドメイン追加まで丁寧に案内します。

ドメインとサーバーの紐づけ

  1. ドメイン管理画面でDNSを設定
    • レンタルサーバー側で設定されている「ネームサーバー情報」を、ドメイン管理画面(お名前.comやムームードメインなど)に登録します。
    • ネームサーバー設定を間違えると、正しくサイトが表示されないので注意してください。
  2. サーバー管理画面でドメインを追加
    • サーバーのコントロールパネル(例:エックスサーバーの管理画面)で「ドメインの追加」メニューから、取得したドメインを設定する
    • 数時間〜1日程度で設定が反映され、ドメインとサーバーが紐づきます

WordPressのインストール

自動インストール機能を使う場合

  • 多くのレンタルサーバーには「WordPress簡単インストール」機能があります。
  • サーバー管理画面にログインし、「WordPress簡単インストール」や「CMSインストール」を選ぶと、必要事項を入力するだけでWordPressがすぐに使えるようになります。

手動インストールの場合

  • WordPress公式サイト(wordpress.org)から最新のWordPress本体をダウンロード
  • サーバーの「public_html」や「www」フォルダにアップロード
  • ブラウザでドメインにアクセスし、インストールウィザードに従って設定する

functions.phpの編集

WordPressの外観(テーマ)や機能をいじる際、functions.phpを編集することがあります。

管理画面 → 外観 → テーマファイル編集 から、子テーマのfunctions.phpを開きます。

数式表示

いよいよ数学系サイトの要ともいえる数式表示の段階です。先ほど述べたfunctions.phpを編集します。テーマファイルからfunctions.phpを編集してください。

KaTeXを使う

  • 特徴: レンダリングが高速・軽量
  • 導入手順(例):
    1. WordPress管理画面 → プラグイン → 新規追加 → 「KaTeX」で検索してプラグインをインストール
    2. 有効化後、プラグインの設定画面で「インライン数式を $ ... $、ディスプレイ数式を $$ ... $$ でレンダリングする」などの設定をする
    3. 記事の中で $ a^2 + b^2 = c^2 $ のように書くと、公開時・プレビュー時に数式が美しく表示される

function add_katex_script() {
    echo '
    <link rel="stylesheet" href="https://cdn.jsdelivr.net/npm/katex@0.16.9/dist/katex.min.css">
    <script defer src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/katex@0.16.9/dist/katex.min.js"></script>
    <script defer src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/katex@0.16.9/dist/contrib/auto-render.min.js" 
        onload="renderMathInElement(document.body, {
            delimiters: [
                {left: \'$\', right: \'$\', display: false},
                {left: \'$$\', right: \'$$\', display: true}
            ]
        });">
    </script>
    ';
}
add_action('wp_head', 'add_katex_script');

MathJax を functions.php に追加する方法

  • 特徴: LaTeX互換性が高い、カスタマイズ性が豊富
  • 導入手順(例):
    1. $...$ または \\( ... \\) の形式で、インライン数式を記事内に書けるようになります。
    2. \\[\\]$$ ... $$ のようなディスプレイ数式も対応します。
function add_mathjax_script() {
    echo '
    <script>
        MathJax = {
            tex: {
                inlineMath: [["$", "$"], ["\\\\(", "\\\\)"]]
            },
            loader: { load: ["input/tex", "output/svg"] },
            options: {
                enableMenu: false
            }
        };
    </script>
    <script async src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-svg.js"></script>
    ';
}
add_action('wp_head', 'add_mathjax_script');

画像を使う

  • 特徴: サイトの表示環境に依存しない(JavaScriptなどが不要)
  • 方法:数式を画像ファイルとして生成し、メディアとしてアップロードして貼り付ける
  • デメリット:
    • 数式を修正したいときに、いちいち画像を再生成する必要がある
    • 拡大・縮小時の画質が低下する可能性がある
    • データ量が増えるとページが重くなる
  • メリット: 導入が簡単
数式画像作成アプリ 様々な画像の形式、サイズの出力に対応! - マスジョイ

まとめ:スムーズに作業するコツ

  1. サーバー & ドメインの設定: レンタルサーバーの公式マニュアルやサポートをうまく利用しながら、確実に紐づけを完了させる
  2. WordPressのインストール: 初心者は「自動インストール」を使うと簡単
  3. functions.php編集は慎重に: 子テーマを利用し、バックアップを忘れずに
  4. 数式表示のプラグインを活用:
    • KaTeX: 高速レンダリングが魅力
    • MathJax: LaTeX互換性に優れ、カスタマイズ性が高い
    • 画像: どうしてもプラグインが使えない場合の最後の手段

数式表示のためのプラグインはいくつか存在しますが、自分のサイトの速度や使いやすさ、そしてLaTeXに求める機能(特殊記号対応の有無など)を考慮して選ぶのがポイントです。

あとは、実際に試しながら記事を書いてみることで慣れていきましょう。徐々にカスタマイズを重ねて、自分だけの数学系サイトを充実させてください。

よくあるトラブルとQ&A

Q1. 数式がうまく表示されない

  • 原因: プラグインが有効になっていない、記法が誤っているなど
  • 対策: まずはプラグインの設定画面を確認し、数式の囲み記号が正しいかをチェックする

Q2. サイトが急に表示されなくなった

  • 原因: サーバーの契約更新忘れ、プラグインのアップデート失敗、テーマの不具合など
  • 対策: サーバーの管理画面で契約状況を確認。WordPressの場合はプラグインを1つずつ無効化しながら原因を特定

Q3. 画像や数式を多数入れるとページが重い

  • 原因: 高解像度画像や、大量の外部リソース読み込み
  • 対策: 画像は適切なサイズに圧縮。CDNサービスを利用して読み込みを高速化することも検討する

Q4. 読者が集まらない

  • 対策: SNSや他のブログサービスで記事を告知する。自分からも積極的に他のサイトにコメントやリンクを貼り、交流を増やす

数学系のサイト例

代表的な数学系サイトとあわせて表にまとめました。使用CMSは推測(画像のパスから判定)です。

サイト名 使用CMS 特徴 URL 数式表示
学びTimes(高校数学の美しい物語) 独自 高校数学・入試数学の発展的な内容をわかりやすく解説。 https://manabitimes.jp/math katex
ももやまのうさぎ塾 WordPress 「うさぎでもわかる」をコンセプトに、大学数学・情報系科目をやさしく解説。 https://momoyama-usagi.com/ MathJax
とけたろうブログ WordPress 統計学や統計検定対策の解説が中心。YouTube連携あり。 toketarou.com 画像
おいしい数学 独自 高校数学を中心に体系的に解説。参考書のようなサイト構成。 https://hiraocafe.com/ MathJax
受験の月 WordPress 定期テスト〜受験対策に特化。数学以外の教科にも対応。 https://examist.jp/category/mathematics/ 画像
数学の景色 WordPress 高度な数学内容をかみくだいて解説。抽象数学にも対応。 https://mathlandscape.com/ Katex
KIT数学ナビゲーション 独自 高校・大学初級数学をまとめた教育用サイト(金沢工業大学)。 https://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/ MathJax
理数アラカルト WordPress 工学・物理数学系の内容が充実。大学レベルにも対応。 https://risalc.info/ MathJax
なかけんの数学ノート 独自? 高校数学を中心に、丁寧な過去問解説を展開。 https://math.nakaken88.com/
MathJax
統計WEB – BellCurve wordpressっぽい 統計学に特化。統計検定対策やツール提供も。 https://bellcurve.jp/statistics/course/ 画像
マスジョイ Laravel 数学、プログラミングの解説とともに、計算ツールを提供。 https://www.math-joy-life.com/ katex

*2025年4月3日時点